結婚したばかりの頃、新築の賃貸に引越した。
当時の私は新婚+専業主婦+新築の新居というプレッシャーから、『妻たるもの、いつも綺麗で素敵な家を維持しなくては』という強迫観念で、やたら家から生活感を排除したい病にかかっていた。
夫はどちらかというと【THE☆生活感】みたいな方が落ち着くと言っていたのに、私は生活感を親の仇のように憎んでいたっけ。爆
なんせお洒落な新居だったから、生活感が出るとなんだかミスマッチというか…急にダサくなる。ような気がしていた。あの感じがすごく嫌だった。
なので、家からゴミ箱を無くしてみたり、調味料や洗剤のガチャガチャしたラベルを見なくて済むように詰め替え容器に入れたりしていた。
こういうやつ
他にも泡ハンドソープとか砂糖と塩の入れ物とかも全部こういうシンプルなやつに詰め替えてた。
だけど、こういうやつは大抵本来の箱や容器よりも大きかったり厚みがあったりして、非常に場所を取る。
しかも容器が同じデザインだから中身も分かりにくく、夫がみりんと調理酒を間違えたりする事もあったし
100均の安物だったので、ボトルの口が詰まったり壊れたりして出てこなくなったり、フタから少し漏れ出てきたり色々トラブルもあった。
その違和感や小さなストレスさえもフルシカトしていたけど、今年に入って鬱が良くなり、元気になってくると同時にふと冷静になる。
『いや、このボトルうっっざ!!』
で、コロナ自粛のあたりから詰め替えボトルをやめた。ラベルを剥がすのも考えたけど、次に同じものを買うときに、商品名がきちんと分からないと夫にお使いを頼むのも難しいのでそのままにした。
最初はなんだか心がザワッとしたけど、数日もすれば慣れて、この生活感が気に入った。
『生きてるわ〜』って感じがして。
以前の私もそうだけど、生活感がある部屋=散らかっている部屋または汚部屋だと誤認している人があまりに多すぎると思う。
テレビやネットで、芸能人やインフルエンサーがホテルのような生活感のない部屋を披露して『洗練された家』とか『女子力が高い部屋』とか言われてるのを見てるとついつい『そうなんだぁ…』と思ってしまうんだよね。
もちろん物が少なかったり、容器が統一されていることで、片付けがしやすくなったり見た目がスッキリするのは間違いないし、インテリアに凝るのが好きでそうしている方は素敵だと思う。
でも私は多分、多少生活感がある家が好き。
私の思う生活感がある家っていうのは、整理整頓もきちんとして、きれいに片付いているけれど、【確かにこの家には誰かが幸せに暮らしているんだな】という事が見ただけで分かるような、そんな家。
不要かもしれないけど、私のお気に入りのぬいぐるみが置いてあるベッドや、夫がガチャガチャで獲ったキーホルダーやミニフィギュアが転がったパソコンデスク、いつでもあったかいお茶が飲めるように置いてある食卓の保温ポット…。
生活感を消すならばきっとどれもNGアイテムなのかもしれないけど、今はそれらが視界に入ると落ち着く。
余談だけど、夫のこだわりで敷いていた食卓のビニールシートを最近取っ払ったら最高に気分が良い。木の感触が手に伝わりすごく癒される。
気分が良いので、おやつもちょっと丁寧に木のお皿に盛ってみた。笑
新築に引越すからと夫が選んだこの食卓、傷やシミが付くのを嫌がって、ビニールシートをオーダーしていた。
私はせっかく素敵な木材なのにビニールシートを貼るなんて嫌だったけど、夫も新婚当初は浮かれて謎のこだわり病を発揮していて、絶対に敷くと言って聞かなかった。
3年ほど経ち、当時の家からもまた引越して、築年数がそこそこの賃貸に住んでいる今、私が許可も取らずに平然とシートを外しても何も言わなかった。むしろ『ビニールない方が見栄えが良いね』と言う。笑
新婚の頃ってなんか一時的に謎の奇病にかかる事がある。←